記2日頃から安全衛生行政の推進に格段の御理解、御協力を賜り厚く御礼申し上げます。さて、橋梁等の塗料を剥がす作業や石綿を含有する建築用仕上塗材を除去する作業において、様々な剥離剤が使用されていますが、剥離剤に含まれる化学物質への引火による火災や、吸入による中毒事案が頻発している状況にあり、原因物質の中には、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)、有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)などの法令(以下「特化則等」という。)による規制の対象となっている物質以外の物質も含まれています。このため、剥離剤を使用する作業において発生した労働災害の事例、剥離剤に含まれる化学物質の危険有害性、剥離剤を使用する作業において講ずべき措置などについて、下記のとおりまとめましたので、貴団体におかれましては、下記の事項を傘下の会員事業場等に対して周知いただきますとともに、法令で規制されているか否かにかかわらず、化学物質の危険有害性を踏まえた適正な使用について注意喚起をしていただきますようよろしくお願い申し上げます。なお、ベンジルアルコールは令和3年1月1日からラベル表示・SDS(安全データシート。化学物質の危険有害性、取扱い上の注意などが記載された文書。)交付及びリスクアセスメントの実施の対象となっていることにご留意ください。また、周知用のパンフレットも同封いたしますので、周知にあたりご活用下さい。1 鉛中毒予防規則第40条第1号により、含鉛塗料のかき落とし業務は「著しく困難な場合を除き、湿式によること。」と規定されていることに留意すること。なお、「著しく困難な場合」とは、昭和42年3月31日付け基発第442号「鉛中毒予防規則の施行について」に示すとおり「サンドブラスト工法を用いる場合又は塗布面が鉄製であり、湿らせることにより錆の発生がある場合等をいうこと。」の他、剥離剤を吹き付けること等により労働者が高濃度に剥離剤にばく露するおそれがある場合も含むこと。2塗膜の剥離やかき落とし作業における労働災害防止については、厚生労働省ホームページに掲載する最新の「剥離剤等の製剤を用いて塗膜を湿潤な状態にした後、剥離等作業を行う場合において注意していただきたい事項」、「剥離剤等を用いず乾式により剥離等作業を行う場合において注意していただきたい事項」を参照すること。1 趣旨 この文書は、橋梁等に塗布された塗膜の剥離等作業における労働者の健康障害防止措置のために注意すべき事項を示すものです。橋梁等に塗布された塗膜の剥離等作業を発注する者は、この注意事項を参照し、塗布されている塗料中の鉛やクロム等の有害な化学物質の有無について把握している情報を施工者に伝えるほか、塗料中の有害物の調査や施工方法に伴って発生する塗料や剥離剤に由来する有害物へのばく露防止対策について必要な情報伝達及び経費等の配慮を行うことが望まれます。 なお、この文書に記載された事項は、法令を遵守するため実施しなければならない事項を除き、事業者においてリスクアセスメントを実 ただし、この場合でも、労働者が取り扱う化学物質の危険有害性、リスクアセスメントの結果等について、労働者に周知する必要があるこ関係団体の長殿橋梁等については、錆止め等の目的で塗布される塗料は、一般に鉛を数十%から十数%程度含有し、また、クロム酸を含有したものがあります。鉛の有害性を考慮し、業界の自主的な取組により鉛含有塗料の流通は少なくなっているものの、現在でも多くの橋梁等に塗膜として残存しています。これら鉛等有害物を含有する橋梁等の塗装の剥離やかき落とし作業(以下「剥離等作業」という。)を行う場合には、塗料における鉛等有害物の使用状況を適切に把握した上で、鉛中毒予防規則(昭和47年労働省令第37号。以下「鉛則」という。)等関係法令を遵守することはもとより、状況に応じた適切なばく露防止対策を講じる必要があります。施し、その結果に基づき現場の状況に応じた措置を実施することを妨げるものではありません。とに留意してください。一部改正基安化発0518第1号令和4年5月18日厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長剥離剤等の製剤を用いて塗膜を湿潤な状態にした後、剥離等作業を行う場合において注意していただきたい事項、、鉛・PCB鉛・PCB等有害物質が含まれている塗料の剥離作業に対し、下記の通達等が出され、下記の通達等が出され、施工業者・作業者及び発注者にも周知徹底が等有害物質が含まれている塗料の剥離作業に対し、厚生労働省労働基準局安全衛生部他より厚生労働省労働基準局安全衛生部他より施工業者・作業者及び発注者にも周知徹底が求められ求められています。ています。剥離剤を使用した塗膜の剥離作業における労働災害防止について
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